薬草そのものは比較的安全

「薬草そのもの」は比較的安全であるという根拠や、日本で薬草大麻を使うための課題についてまとめました。日本において大麻草そのものを医療や健康増進のために使うことは現在違法であり使用を勧めるための記事ではありませんが何か考えるきっかけになれば幸いです。

 

「薬草そのもの」は比較的安全、と日本で薬草大麻を使うための課題とは??

 

薬草そのものは比較的安全です。もちろんトリカブトのように致死量があり取り扱いに注意を要する薬草もありますが大麻草やヨモギなど長い期間、人類が医療健康や食品として利用してきたものは比較的安全であると言えます。それは歴史が証明していますし安全性を担保するデータの蓄積もあります。現在は大麻取締法がある関係でできませんが大麻草そのものを薬草利用しても危険性はあまり考えられません。実際に戦前は大麻草を民間薬として利用していた記録も残っています大麻草そのものをセルフケアで用いる方法は実はもっとも手間がかからず、危険性が低いのです。もちろん薬草である限り副作用もあります。ペパーミントやカモミールといった有名なものも副作用がないわけではありません。大麻草にも副作用や問題は存在します。「カナダのリスク低減のための大麻使用ガイドライン」にも大麻を使用する場合は高いTHC含有のものや合成大麻は避けた方が安全であること、頻度や使用法の注意などについて書かれています。

いま日本では大麻草の在り方検討会を経て大麻の取り締まりは「部位規制から成分規制へ」という流れになりつつありますが「本来なら薬草そのものは比較的安全であり、薬草そのものを使えることが望ましい」ということは重要です。まず正しい規制により「陶酔作用が少ないTHC成分が低い大麻草そのもの(Hemp)ならば自由に使用できる。」となることを望ましいのではないでしょうか?これについても慎重な議論は必要でしょうが成分規制にばかりに目がいってしまうと本質を見失い「違法でないから大丈夫」といった認識から脱法ハーブ(危険ドラッグ)のようなものが生まれないかを危惧しています。

*医療や健康の話とは少し離れるのではないか?と思われるかもしれませんが違法薬物や危険ドラッグがなぜ危ないのか?についても以下に書いてまとめていきます。

 

ストリートドラッグ(違法薬物)、市販ドラッグの違い

 

一般的に流通されている薬物、たとえば製薬会社が作った病院で処方されるお薬、嗜好目的で摂取されるたばこ・お酒などと違法薬物が主なストリートドラッグはどのような違いがあるのでしょうか?安全面から考えれば一般に流通している薬物は厳しい品質管理がなされているという特徴があります。例えばタバコの専売メーカーであるJT、それから保険適応の漢方薬も手掛けるツムラなどの大手メーカーも品質管理に対し厳正な取り組みをしています。そうしなければもしも異物混入などの事故が起こったときに対応できませんし社会から信用を失い市場から一発退場となるでしょう。医薬品として市場に流通させる場合は厳しい法律の取り決めもあり、違反する場合ペナルティも課せられます。

一方、ストリートドラックと呼ばれる違法薬物ではどうでしょうか?品質管理を行う業者もいるでしょうが例えばコカインや覚せい剤は流通や売買がそもそも違法なので製品の品質管理も法律で取り決めがあるわけもなく、異物混入などによる健康被害の事故が起きてもすべて自己責任になります。またいわゆる脱法ドラッグといった法で規制されてはいないが「薬効を有するもの」に関しても同様です。もしも事故が起こったとしても基本的に使用者の自己責任となるでしょう。

 

違法薬物や脱法ドラッグは何が問題か?

 

違法薬物だから必ずしも有害で危険なだけか?というとそう言い切れません。例えば覚せい剤などは病気の治療で使われることもありますし、現在も処方薬として日本でも一部流通してます。オピオイド(あへん)も同様です。医師管理のもと用法用量を守り適切に使えば薬になるのです。また覚せい剤そのもの、あへんそのものはもちろん致死量がありますが、薬物そのものが危険で有害とは言い切れないのです。覚せい剤を使い車の運転をしたら危険、と言えるかも知れませんがまたそれは別の問題です。それでは何が違法薬物や脱法ドラッグの本質的な問題となるのでしょうか?

警視庁のサイトに平成26年7月18日に行われた〈社会安全フォーラム〉我が国の薬物対策の今とこれから~脱法ドラッグの脅威への対処に向けて~の資料があります。花尻瑠理氏(国立医薬品食品衛生研究所生薬部第3室室長)が「海外の脱法ドラッグ事情と日本における流通実態」というテーマで講演した際なぜ“脱法ドラッグ”は危険なのか?というお話をされています。違法薬物にも共通する話がたくさんあるため抜粋し紹介したいと思います。

 

 

一つ目は、何がどれだけ入っているか分からないということが挙げられます。

医薬品とは違って品質保証がまったくない、つまり脱法ドラッグという製品自体にどのような化合物が入っているか分からない、また同じ製品名でも実際に入っている薬物の種類や量が異なる場合もあります。同じ店で同時に同じ名前の製品を買っても含有成分が違うこともあります。その上、一つの製品の中にたくさんの種類の化合物が入っていることも多くあります。我々が分析した中で一番多かったのは、一つの製品中に10種類の化合物が入っていました。必ずしも同じ作用を持つ化合物だけではなく、例えば、興奮作用を持つもの、幻覚作用を持つもの、抑制作用を持つものなど、様々な作用を及ぼす複数の化合物が一つの製品の中に入っている場合もあります。

二つ目は、実際の薬理作用が分かっていないものが多いということが挙げられます。

次々と出現する構造類似化合物に関しては、当初は特許情報に記載されている化合物であることが多かったのですが、その後、少しずつ構造を修飾していくことによって、薬理作用が全く分からないものが出現しています。その上、医薬品とは違って不純物一果たしてそう呼ぶべきか分かりませんが一あるいは合成副生成物、例えば化合物とある化合物が製品調製中に熱を加えて乾燥することによって反応してしまったような、訳の分からないものが検出されることもあるのです。こうしたことを踏まえれば、脱法ドラッグ製品は、実際に人が摂取してどういう作用を及ぼすのか想像できないという、非常に恐ろしいものであると言えます。特に不純物については、急性毒性だけではなく、発がん性などを有する可能性もあるかもしれないことを考えると、とても怖い製品ではないかと考えています。

さらに、三っ目は、既存の麻薬よりも活性が強い薬物も存在するということが挙げられます。

実際、流通している合成カンナビノイドには、実際の大麻の活性成分よりも強い活性、もしくは脳内のカンナビノイド受容体に高い親和性を持つ化合物が多くあります。合成カンナビノイドは、カンナビノイド受容体、特に脳などに存在するカンナビノイドCB1受容体という部位に結合することで中枢作用を及ぼすことが知られています。合成カンナビノイドが脱法ドラッグ市場に登場した初期の頃の化合物で現在では麻薬として規制されているJWH-018、我々の調査で2012年に最も検出されたMAM-2201、2013年に最も検出された5F-QuPIC、あるいは今年の1Bから2月にかけて最も検出されたFUB-PB-22などを比べてみると、同じ合成カンナビノイドでも、この1、2年間のうちに、カンナビノイド受容体への親和性がより強い化合物が多くなっているような印象を受けています。

 

・・・一つ目に関しては市販薬物と違い品質管理がされていないため何がどれだけ入っているかわからないということを上げています。二つ目は薬理作用自体がまだよくわかっていないことが多い点と、いわゆる「混ぜ物」についての問題を上げています。薬理作用自体がまだよくわかっていないのは脱法ドラッグ特有の問題ですが、品質管理と混ぜ物についての二点は違法薬物、脱法ドラッグ共通の問題といえるでしょう。例えば違法薬物のコカインはレパミゾールという薬物が添加されストリートに出回ることが多いようです。レパミゾールはそのものにも害があり血管の炎症および耳、鼻、顔の皮膚の重大な損傷を引き起こします。三つ目の既存の麻薬よりも活性が強い薬物も存在する、という話は脱法ドラッグ特有の問題と言えるかもしれません。

 

また脱法ドラッグではありませんが現在日本で市場に流通しているVAPEタバコ(リキッド)も同様の危険性があります。法律で適切な規制がなされていないため製造過程が不明で自宅で製造した「キッチン調合」と呼ばれるようないい加減なものまで合法的(脱法的)に流通させることが出来ます。アメリカではすでにVAPEリキッドに添加されたビタミンEが原因で死亡事故が起こりました。トランプ大統領時代に規制が進んだようです。現在の日本ではCBDという大麻の合法成分を有するVAPEリキッドやオイルサプリメントが流通していますが、たとえCBDそのものが安全だったとしても品質管理に対する取り決めがないことから、かなり危うい状況であることが容易に想像できます。

成分のみ、違法か合法か?だけに注目する政策は脱法ドラッグのようなものを生み出す可能性があります。本来ならば大麻草そのものを使えることが望ましいのであり、このことは私たちが留意しておく必要があでしょう。単なる禁止や無責任な大麻開放ではなく「正しい規制」で薬草大麻の有効利用がなされることを望んでいます。

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