ウェルネスと大麻

ウェルネスとは何か?

 

ウェルネスという言葉をご存じでしょうか?健康を身体の側面だけでなくより広義に総合的に捉えた概念のことで、米国のハルバート・ダン医師が提唱した「輝くように生き生きしている状態(1961)」とした代表的な定義をもとにこれまで多くの研究者らがウェルネスの探究と追定義を重ねてきました。世界中の研究者がウェルネスの概念をまとめあげるとき、人種、民族、性別、性的指向、宗教、言語をはじめ、様々な見地からの解釈があります。「ウェルネスの概念は確定したものではなく、これからも変化していくものである」ということも注目すべきことの一つでしょう。ビジネス視点から見れば「前向き」と見ることもできます。

 

ウェルネスとヘルスの違いは?似たような言葉は?

一方、ヘルスとはなんでしょうか?ビジネス視点から見れば結局のところ疾病を中心に考えられる概念で「受け身」と捉えることもできます。ヘルスケア市場もまた巨大で有望な市場ではあるのですが、人々がこの顧客になるのは特定の症状や疾患に見舞われたり、身体に何らかの反応が現れたりしたときに限られます。本来、だれも顧客になどなりたがらないはずです。疾病ビジネスの顧客になりたくない人々は、より健康に、美しく、人生を豊かに彩るライフスタイル、新しい健康観であるウェルネスの顧客になろうとするでしょう。

ちなみにwellnessとwell beingの違いは「過程と結果」のような使い分けで語られることが多いです。また日本発の言葉では昔から使われる「養生」があります。江戸時代に出版された貝原益軒の養生訓は当時のベストセラーでした。養生、も似たような意味合いがあるものの摂生の意味も含まれる言葉になっています。東西を問わず、いつの時代も健康でありたい、より快適でありたいという願望や健康への高い関心は不変と言えるでしょう。

 

ウェルネスの市場

 

近年では健康・医療業界だけではなくSPA産業、美容業界、飲食業界、観光業界をはじめあらゆる産業分野からも注目されています。世界ウェルネス機構(GWI)によると、ウェルネス市場はヘルスケア市場、クリーンエネルギー市場等を包含し、4兆5000億ドル(≒477兆円)と極めて巨大となっています(2020年)。内訳では、パーソナルケア&ビューティ・アンチエイジング(1兆830億ドル)、ウェルネスフード(7,020億ドル)、ウェルネスツーリズム(6,390億ドル)、フィットネス(5,950億ドル)、予防医療(5,750億ドル)が上位を占めています。

 

ウェルネスと大麻

 

このような流れの中でCBDや大麻が疾病を治すためだけではなく、より快適に生きるための「ウェルネス」として語られるようになったことはある意味で必然と言えるかもしれません。現代医学は、感染症や交通事故による急性症状に対し科学の進歩によりかなり大きな成果を上げています。その一方で薬では解決しない・解決しにくいような慢性疾患・精神疾患・がんなども増えているので補完代替医療やウェルネスを求める人は必ずいます。そして人はいつかは亡くなります。大麻草は痛みや炎症に対して症状緩和の効果があるため、慢性疾患や終末期にもQOL(生活の質)を上げることが出来ます。「より快適に生きるためのウェルネスとしての大麻草利用」となるのです。

そしてエンドカンナビノイドシステムの発見により大麻の成分を摂取することで身体の調子を整える事が出来るのではないか?という説もウェルネスとしての大麻のイメージを後押しをしているのではないでしょうか。「THCと違ってハイにならない」という事からCBDを好む人もいて、大麻関連の書籍などでもCBDとウェルネス・ウェルビーイングは盛んに語られるトピックになっています。

ウェルネス分野同士は相性が良く、たとえば大麻とヨガ、大麻と鍼灸を組み合わせたサービスやビジネスもアメリカでは行われています。本邦においても今後、法整備が進めば大麻関係のウェルネスツーリズムも行われるようになるのではないでしょうか。一例を以下に挙げておきます。大麻が好きな人同士が共に学び、コミュニケーションしながら旅行し、楽しい時間を過ごし、健康増進に励むことは生きがいにもつながります。大麻は日本でもウェルネスとしても語られるようになる大きな可能性を秘めているのです。

 

・ 大麻畑を見学、農業体験学習 →

・ 大麻オイル・麻の実などを使った地元の有機野菜料理を食べ宿泊 →

・ 温泉 →

・ 大麻オイルを摂取してのヨガ →

・ 大麻オイルを使ったマッサージケア 等

 

参考:ウェルネスツーリズムーサードプレイスへの旅ー 荒川雅志著(フレグランスジャーナル社)、WIRED「ウェルネスのためのカンナビス

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