緩和ケアの薬草大麻

がんなどの重い病気になってしまったときに薬草大麻はどう役に立つのでしょうか?比較的安価で、セルフケアで行え、吐き気止め、鎮痛、食欲増進、不安・抑うつ・睡眠状態の改善などQOLの向上に役立つ可能性が高いです。現在は大麻草の利用は違法ですが将来的に解禁されたときのことを考えて「日本社会ではどのように関わっていくのが良いのか?」シュミレーションしておくことがとても重要だと考えます。

また「大麻草ががんの緩和ケアに使える」、と聞くと大麻のことや代替医療のことについて詳しく知らない人は「がんそのものが大麻草で治るのではないか?」期待しすぎてしまったりします。適切な距離感で、通常医療を否定することなく上手に付き合っていくことが大切です。海外の話とは医療制度や社会的背景も異なるため注意が必要です。それらにも留意しまとめていきます。

 

(1)緩和ケアと、がんに伴う心と体のつらさの例

まず緩和ケアとは何でしょうか?WHO(世界保健機関)によると以下のような説明になります。

 

 

緩和ケアとは、心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。(2002、日本緩和医療学会・訳)

国立がんセンターが出している患者向け情報サイト「がん情報サービス」に詳しい記載があります。体のことだけではなく仕事の心配や将来の不安のつらさも経験することになります。ストレスからうつ病などの二次的な疾患も発症してしまう可能性もあるために注意が必要です。上記サイトを参考に、一例として挙げておきます。

気持ちのこと:不安で眠れない、何もやる気が起きない

治療で生じること:しびれる、食べられない、やせて外見が変わってしまう

身体のこと:痛い、息苦しい、だるい

人生に関すること:生きる意味、将来への不安、家族に迷惑をかけたくない

社会的なこと:働きたいけど働けない、子供の世話ができない

 

(2)緩和ケアを支える医療チーム

医師や看護師はもちろん心理士、ケアマネージャー、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種の人がケアを支えることになります。病院に通院する場合もあれば入院しケアを受ける場合もありますし、在宅療養の場合は自宅や介護施設でケアを受ける場合もあるでしょう。

 

(3)もしも緩和ケア領域で薬草大麻を使いたい状況になったら

今現在、日本での大麻の薬草利用は法律で禁じられていますのであくまでもシュミレーションです。薬草大麻の利用はどのような位置づけでしょうか?医師や薬剤師が大麻草の使用を指導・管理する状況もあり得ますが自己使用・セルフケアが大半であると予想します。

 

 

痛みを和らげげるために自分や家族が体操やマッサージやヨガをしたり、自己判断でサプリメントを摂取するのと同じ領域です。その時に大切なことは医師や薬剤師に相談できるようにしておくことです。こんなセルフケアを自分でもやっている、こんなサプリメントを摂取しているという情報は医師や医療・介護スタッフ(コ・メディカル)に相談できる関係が望ましいのです。サプリメントでも飲み合わせが悪い薬が存在しますし、運動が逆効果になってしまうこともあるからです。

薬草大麻を使うことでどのようなメリットが考えられるでしょうか。この分野(緩和ケアの薬草大麻)は大きな可能性があると思います。以下にまとめていきます。

・ QOLの向上

がんの場合の心と体のつらさの例を挙げましたがそれらの症状は薬草大麻が和らげてくれるでしょう。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAbrams, DI らの論文「Cannabis in cancer care」でも吐き気止め、鎮痛、食欲増進、不安・抑うつ・睡眠状態の改善などについて肯定的に書かれています。心や体の症状緩和はQOL(生活の質)の向上につながります。またこのレポートには抗がん剤そのものとしてのカンナビノイドの有効性についても書かれていますがそれに関してはまだ動物実験の段階です。現時点ではわからない部分も多くあくまでも可能性がある、くらいだと思います。「通常医療を全て辞めて薬草大麻だけで治療をしよう」などと極端な期待をし過ぎない方が良いでしょう。

・ 自家栽培自体が生きがいにつながる。

大麻草は、機材をそろえれば家庭でも自分で簡単に栽培することができます。合法化された地域では自分で栽培しハーブを自分のセルフケアに使用する人もいます。自分で育てたハーブを自分の治療やウェルネス目的で使用すること、園芸のように植物を育てる趣味を持つことはそれ自体が生きがいにつながります。愛好家同士で情報交換をしたりするのも良いでしょう。自家栽培は薬やサプリメントより安価なのも魅力ではないでしょうか。

・ 医療・介護スタッフが必要ない。

緩和ケアを受ける場合、自宅であろうと病院等の施設であろうと基本的には医師や医療者や介護スタッフ(コ・メディカル)が必要となりますが薬草大麻使用の場合はセルフケアなのでこれが必要ありません。これは手間がかからないという意味ではメリットです。ただし医師等のアドバイスが受けられないということはデメリットでもあるため注意が必要です。前述のように医療スタッフに大麻草を使ってセルフケアしている事を報告し、何かあれば相談出来る関係にしておくのが望ましいでしょう。

 

上記のように緩和ケア領域での薬草大麻利用はさまざまなメリットが期待できますが、日本では現状違法でありまだまだ医療者、介護者、そして社会にも理解されていない現実があります。少しずつでも有用性が広がっていく事を願ってやみません。

 

★2022年2月2日に『いま現在日本で流通しているCBD製品は緩和ケアに使えるか?』問い合わせがありました。使えないことはないでしょうがかなり厳しいという見解をお伝えしました。理由は、まだ日本ではCBD製品の品質管理取り決めなどもなく安全面での担保がない事、また他に安価なものがあればそちらから試す事が望ましいから、等です。どうしても緩和ケアでCBD製品を使いたいなら医師に相談しながら試す事をお勧めしました。(しかし医師は関与したがらないかもしれません)詳しくはこちら

この記事は将来的に大麻草が、どのように緩和ケアに役立つか?シュミレーションしたものであり今現在日本で流行しているCBD製品との関連はほとんどありません。

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